5月2日。
仕事帰りに写真展を見に行く。
“Journey to Onomichi”
映画「東京物語」を愛するヴィム・ヴェンダースと
その妻 ドナータが撮影した「現代の京都〜尾道」
入場して
まず目に入るモノクロ写真を撮ったのは ドナータ。
被写体の多くは人物であるが
ピントがあっているのは人ではなく
和菓子や匂い袋といった もの
そして
ガラス越し 簾越しにうつる人の たたずまい。
そこにうつっているのは
確かに平成の日本人のはず。
しかし
あえて人物そのものではなく
なにか日本的なものを通して人をうつしているためか
彼女が撮影した写真からは
外国人が思う そして私たち現代人が思う「古き良き日本」を感じた。
ヴィムが撮るのは尾道の風景。
彼が映画監督だという先入観もあってか
今にもストーリーがはじまりそうな印象を受けた。
太陽の光にあたる
The Dead Tree−「朽ちた木」は
眼下に広がる街並みを見守るようでもある。
映画の始まり もしくは終わりのワンシーンのようにも思える。
大和ロケセットの写真における
ガイドの赤い服や赤いベンチ。
これは
赤が特徴的だった小津映画へのオマージュだろうか。
こんなところでこんな手を使って…と
勝手にヤラレタ気分になった。
「ふたりの外国人が撮った 現代の尾道」
から感じられたのはノスタルジー。
もっというならば
「nostalgie」よりも むしろ日本語の「郷愁」だ。